「…………はぁっ」
吐息を顔に感じた。
いい匂いだ。息がかかるような距離で俺たちは満員電車に揺られてる。
俺は…………そのとき、なぜだろう、大胆にも顔をさらに寄せていった。
「…………っ?」
「………………」
「………………」
「………………」
顔を寄せると、陽花が顔をそむけようとする。
いまさらなんだ、夫を裏切っている淫売主婦の分際で。
俺は知っているんだ。お前がどれだけ穢れた女なのか、ちゃーんと知っているんだぞ。
「…………ぁ!」
ふたたび顔を寄せる。
今度はこいつも気づいただろう。俺が唇を狙っていることに……!
「……はぁ、はぁ…………はぁっ」
急に息が荒くなってきたな。
どうだ、俺ではどうだ? キスは克彦より上手いかもしれないぞ。
「…………っ」
またしてもキッと睨みつけてくる。
それと同時に立ち上ってくる、えもいわれぬ芳香……いい香水を振ってやがる。
「あ……!」
俺は耐え切れずに、たわわに実った乳房に手を伸ばした。
「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ…………っ」
上目づかいで俺を睨みつけてくる。次第にその視線が弱くなっていくのがわかった。
「ん……はぁ…………ん………………んっ」
こいつ、感じてやがる!!
初対面の男の愛撫に……電車の中だと言うのに、気分を出してるぞ!
やはり淫売だ。ろくでもない女だ……だからこんなにもエロく感じられるのか!
くそっ、たまらないな……。
「……ンンッ……!」
指先が乳首を捉えた。
陽花の顔が、俺の顔にわずかに近づいてくる。
「ん……ん、んん…………んッ!」
キュッキュッと乳首をつねる……どうやら声を殺すつもりのようだ。
大声を出されたら俺も破滅だ。だがなぜか、どうしてもキスを奪ってやりたい。
「はぁっ、はぁっ……はぁ……ん、ん…………はぁぁ……ン……ッ」
くそ、可愛いじゃないか。
コリコリコリコリ……乳首をころがすたびに、陽花の唇が近づいてくる。
「ひッ……ン!」
「ん……んーーーッ……!」
まるで克彦になったような気分で乳首を強く握りつぶすと、陽花の身体がその場で硬直した。
「はぁ、はぁ……ひッ、ン……はぁ、はぁぁ……はぁぁっ」
無言で拒絶しようとする陽花だが、乳首攻撃のほうが強い。
「はぁ、はぁ……はぁ…………あ……?」
やがて、首をねじって逃げるのをやめた陽花の顔が目の前に戻り、そのまま……



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